寝言

初作品は『恐怖のゴトゴト』

▲ (写真は今も持っている8ミリ・フィルム・カメラ、ニコンR-10と映写機ELMO ST-180。稼働するかは不明。)

▲ (写真は今も持っている8ミリ・フィルム・カメラ、ニコンR-10と映写機ELMO ST-180。稼働するかは不明。)

 小学校3年の頃に8ミリ・フィルム・カメラをママチャリのカゴに紐でくくりつけて、自転車の主観ショットを撮ったのが自分の映画作りの始まりだった。この時は、『グラン・プリ』というF1レース映画の映像を真似したかったのだ。そこで、私は家の近くの急な坂道に行き、シャッターをロックするとそこを滑り降りた。危険なほどのスピードが出て、これは『グラン・プリ』に負けないショットが撮れたと意気揚々と現像に出した。

果たして、あがってきたフィルムを見て私は愕然とした。画面がゴトゴトと揺れて何が写っているのか全然分からないのだ。仕方ないので『恐怖のゴトゴト』と名付けて箱にしまった(この時から「恐怖の」という言葉が付いている理由は自分でも説明不能)。そして、その失敗にもめげずカメラの固定の仕方を変えて、自転車の主観ショットの撮影に再度チャレンジした。その積み重ねの延長線上に現在の自分がある。それを考えると感慨深い。