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『呪怨:呪いの家』、子供たちに見せられないが、Jホラーに新たな歴史を刻む傑作なのは間違いない。

締め切りを過ぎた仕事を終えてから観るつもりだったけど、我慢できずに『呪怨:呪いの家』を鑑賞。
呪われた一軒家の物語から、日本という呪われた国の壮大なホラーに発展した作品。
人物を暗がりに立たせて、ピントをボケさせて撮影する幽霊演出は、私や石井てるよし監督が編み出した心霊写真風演出を的確に踏襲したものだが、その感触は生々しく今までとは全く違う。実在の猟奇事件を背景にした脚本から生じる効果だろう。Jホラーに新たな歴史を刻む傑作なのは間違いない。
ただし、清水崇監督の『呪怨』のユーモアは全く排除されて陰惨の極みなのが個人的には難あり。林間学校や臨海学校の夜中に仲間と語り合った怪談話の怖さと楽しさを作品にしたいと『ほん怖』を作り始めて、小説『恐怖コレクター』や『怪狩り』などを執筆している自分としては、子供たちに見せられる内容ではないのがいささか残念。
やはり自分は、恐怖にロマンを求めているのだなあ、とあらためて感じた。

米国発売中、東宝『血を吸う』シリーズBDを購入! 嬉しい!!

先月、東宝『血を吸う』シリーズを【7日間、映画チャレンジ】で紹介したら「米国ではBlu-rayが出てるよ」と教えていただきまして、早速取り寄せてしまいました
米国の評論家?の解説映像が特典で入っていて嬉々として語る姿に嬉しくなるのですが、何しろ英語が不勉強で…
マカロニウエスタンを受け入れた米国だから、本シリーズも好意的に受け入れたのでしょう。
『血を吸う薔薇』の助監督が『泥の河』の小栗康平監督なのに、はじめて気づきました。
ジャケットがリバーシブルで嬉しい限り
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『THE PARANORMAL TELLER(ザ・パラノーマル・テラー)』 本日、恐怖の最終話配信!

Apple Podcastのジャパン・ランキング「ドラマ部門」&「フィクション部門」で1位!

『THE PARANORMAL TELLER(ザ・パラノーマル・テラー)』。

本日、恐怖の最終話がついに配信されました。

全話、無料で聴けます。是非!

The Epilogue
春名が読み始めた一通のメール。そこには、今まさにこの会議室で行われている自分たちのことが書かれていた!そして、春名が読み進めようとしたその時……。恐怖はさらなる恐怖を呼び寄せる。 なぜ、このラジオ番組『あなたの霊話体験』が放送されることなく、突如、放送中止となってしまったのか、その真実を知る勇気が、あなたにはあるか?

https://spinear.com/shows/the-paranormal-teller/

https://spinear.com/shows/the-paranormal-teller/

 

 

【7日間、映画チャレンジ】、鶴田法男監督『Z-ゼット- 果てなき希望』。

【7日間、映画チャレンジ】
●マンガ家で、タレントブランディングアドバイザーである神崎 将臣さんからバトンをいただいた【7日間、映画チャレンジ】。
●最終日です。
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最後なので自作を紹介させてください、『Z-ゼット- 果てなき希望』。

J-WAVEが立ち上げた音声配信サービス、SPINEAR(スピナー)で私の脚本・演出のサウンド・ホラー『THE PARANORMAL TELLER(ザ・パラノーマル・テラー)』が全編無料で絶賛配信中です。
https://spinear.com/

このラジオドラマの『Room No.604』の詩音役・櫻庭由香里、ジロー役・ガイモン、『Wonderers In The Dark Woods』の塁役・久住翠希、『Man In The Instant Photo』の麻美役・小原徳子(元・木嶋のりこ)、『Haunted Place』の明美役・田中みはるの5名は『Z-ゼット- 果てなき希望』のメインキャストです。

制作会社から「『ヒッチコック劇場』ならぬ『鶴田法男劇場』をやりたいんです」と言われたときに、ラジオドラマなんて経験が無いのでヤバいことになったと焦ったものの、私の気心の知れたキャストを多数起用したいという願いをプロデューサーの皆さんが受け入れてくれたので、だったら『Z -ゼット-』の連中を一挙に連れてきてしまおうと思ったのでした。

たぶん、『Z -ゼット-』は自作の中で最も知られていない映画の1本なんじゃないかと思います。

なにしろ、ただでさえ超低予算の単館公開作品なのに、2014年の公開初日がUSA版『GODZILLA ゴジラ』とモロかぶりになり、いつの間にか公開されて終了していたという残念なことになったのです。

それに、ゾンビ映画は自分のフィルモグラフィーの中ではかなり異質です。

80~90年代前半、ホラーと言えばスプラッタ・ホラーだった時代に、「残酷描写は無くてもホラーは作れる」と反発をして、オリジナルビデオ版『ほんとにあった怖い話』を筆頭に幽霊をモチーフにしたホラーを作り始めた監督だからです。

でも、『Z -ゼット-』で静岡県牧之原市にスタッフ、キャストが数週間合宿して撮影した日々は非常に濃厚で、みんなの息がピタリと合っていたのは絶対です。
私は何も指示を出してないのにキャストのみんなが面白がって芝居を膨らませていたし、スタッフも大いに楽しんで撮った作品。

相原コージさんの原作のメッセージ性も奥深かった。

予算の少なさがどうしても感じられてしまう部分があるので、馬鹿にして受け付けない人もいます。いつもの鶴田らしくないスプラッタ描写が嫌いな人もいます。

でも、私と本作の仲間達が人生の一部を捧げたあの密度の濃い日々は、しっかり映画に定着しています。一度観てもらえればそのマインドは充分に受け取ってもらえると信じています。

6年が経ち業界を引退してしまったメンバーもいますけど、私の自慢の一作なのでこの機会に是非!

全国のレンタル店にもあまり置いてないし、配信も幅広く行われているわけではないようです。でも、Amazon Primeは配信してますね。
https://www.amazon.co.jp/…/ref=atv_dp_share_r_em_e38f68d15…/

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【7日間、映画チャレンジ】、田中文雄プロデュース、山本迪夫監督『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』。

【7日間、映画チャレンジ】
●適当にゆる~くやりますので、毎日1本ではなく間が開く日もあるかと思います。
●「#stayhome のバトン疲れ」も報道されているので、お声がけはしないようにします。
●ただし、もしご興味がある方はご連絡をください。
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ホラー専門監督なのにホラー映画を紹介してないことに気付いたので、六日目は『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』。

『血を吸うシリーズ』は、1970年、『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』、1971年、『呪いの館 血を吸う眼』、そして1974年、『血を吸う薔薇』の3作が作られた日本製怪奇映画の最高峰シリーズ。

後に作家に転じる東宝の田中文雄プロデューサーと、後に『太陽にほえろ!』を支えた山本迪夫監督との見事なコラボレーションが生み出した傑作ホラーで、2作目から登場した和製ドラキュラ、岸田森さんの怪演ぶりでつとに有名な作品です。

なのですが、私は岸田ドラキュラが活躍する『眼』と『薔薇』よりも、1作目の『血を吸う人形』を高く評価しています。

ところで、小学校3年の時に幽霊を見て、その後、『四谷怪談』や『牡丹灯籠』などの映画がテレビ放映されるたびに必ず観たのは、自分の見たものが本当に幽霊だったのかどうかを確認したかったからです。

そんな中、小学校6年の時に東京12チャンネル(現・テレビ東京)『木曜洋画劇場』で観たのが、ロバート・ワイズ監督『たたり』。幽霊は一切登場しないのですけど、作品そのものが幽霊のような映画でした。「3年生の時の恐怖感は、これだ!」と思い、なぜかホッとするような気持ちになったものでした。

しかしその後は、同様の恐怖を感じる映画やテレビドラマには出会えず、中岡俊哉編著『恐怖の心霊写真集』や巨匠つのだじろう先生の『亡霊学級』や『恐怖新聞』などの書籍やコミックに癒やされていたのです。

そして中学2、3年になったある土曜の午後、たまたま茶の間のテレビで観たのが『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』でした。
最初は、「どうせ、赤とか青の照明が当たって、お岩さんのようなメイクをした恐い存在が出てくるに違いない。それじゃ、自分の見た幽霊と違うから怖くないんだよ」と斜に構えて観ていたのです。

ところが、これは違う。

出てくる恐怖の対象は、白いネグリジェを着た髪の長い女で、おぞましいメイクなどはしていない。しかも、赤とか青の照明が当たることもないし、怖いシーンの表現に特撮的なことも一切やっていない。

それまで観てきた日本の怪談映画などとは恐怖表現がかなり違うのです。それに当時、最先端の技術で圧倒的な恐怖を作っていたハリウッド製の『エクソシスト』などとも違うのです。

その恐怖表現は自分が幽霊を見たときに近いものでゾッとしました。

私を含めたJホラー作家が「幽霊が怖い」として必ず言及する作品にジャック・クレイトン監督『回転』がありますが、山本迪夫監督はロバート・ワイズ監督『たたり』を含めてそのあたりの作品はしっかりご覧になって研究されていたと思います。

この『血を吸う人形』がヒットしたので、吸血鬼映画好きの田中文雄プロデューサーの意向が色濃く反映した『血を吸う眼』、『血を吸う薔薇』が作られて、岸田森さんの当たり役が誕生するわけです。特に『血を吸う薔薇』は映画としての完成度も高く評価が高い。
しかし、やはり私はこの1作目が大好きです。

ところで、私がはじめて手掛けたテレビ作品は1999年3月に放映されたオムニバス・ホラー、関西テレビ『学校の怪談 たたりスペシャル』の一編です。なんと、このオムニバスの中の一遍が田中文雄脚本、山本迪夫監督の『呪われた課外授業』という作品した。市川染五郎(現、十代目松本幸四郎)さんが吸血鬼を演じた『血を吸うシリーズ』の4作目のような作品だったのです。
打上げの席で山本迪夫監督にお会いできて、とても光栄でした。そして、おこがましくも上記の『血を吸う人形』を初めて観たときの衝撃をお伝えしたところ、大変に喜んでくださったのが良き思い出です。
ちなみに、私が担当した話は高橋洋脚本、岡本綾、鈴木砂羽、阿部サダヲ出演『たたり』という作品でした。ロバート・ワイズ監督に喧嘩を売ってますね(^_^;

山本迪夫監督は2004年8月に、田中文雄さんは2009年4月に鬼籍に入られました。
あらためてご冥福をお祈りし、日本映画に素晴らしいホラー・シリーズを残してくださったことを、この場であらためてお礼申し上げます。

では、また。
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