綾瀬はるかさんと『ほん怖』との歴史は意外と古いです。『怨みの代償』。
【ほん怖トリビア⑥】
今年のフジテレビ『土曜プレミアム・ほんとにあった怖い話 夏の特別編2025』(16日、21:00~23:10)で放映される『怨みの代償』(演出:鶴田法男 脚本:三宅隆太 出演:綾瀬はるか、市川由衣、入山法子)は、2009年の『10周年スペシャル』で放映された作品です。つまり、佐藤健さん主演『顔の道』と同じ時に放映されました。この4年後に日本が誇る世界の巨匠、黒沢清監督の『リアル~完全なる首長竜の日~』(2013年)で綾瀬はるかさんと、佐藤健さんのお二人が共演されていて感慨深く思いました。
さて、フジテレビ『ほん怖』も今年で26年になるので様々な作品を放映してきましたが、この『10周年スペシャル』の頃は、「幽霊が怖い」作品を皆さんにお届けしていました。これは、フジテレビ版の前身になるオリジナルビデオ版『ほん怖』(91~92年)の時から変わりません。それは私が小学校3年の時に幽霊を見た記憶があることに起因しています。(詳細下記)。ですから、「人間が怖い」からひきおこる本作は異色作でした。
さて、綾瀬はるかさんと『ほん怖』との歴史は意外と古いです。2003年放映の『春の恐怖ミステリー ほんとにあった怖い話』の中でえなりかずきさん主演『闇からの電話』の助演で出演してもらったのが最初で、その翌年、2004年にレギュラーシリーズ化された際に『横断歩道奇譚』に主演してもらい、そして本作で3度目の出演でした。ありがたいことに、この3本共に私の演出でした。
『闇からの電話』の時は新人さんでしたから、私が芝居を付けないと戸惑っている時がありました。ですが、『怨みの代償』の時は、私が何も言わなくても的確な芝居をしてくれて感心することしきりでした。
また、体調を崩して不眠になってしまう展開なので、中盤からは「やつれメイク」をしています。これは、ご自分がメイクさんと相談をして自主的にやっていたことでした。実は、事前の打ち合わせで「やつれメイク」をお願いするのを私はすっかり忘れてしまったのですが、このシーンの撮影の時にこのメイクで現場に来てくれたので大変に感謝しました。
ところで、この作品は「神奈川県」のテロップが出ますが、実際は「三越千葉店」でロケをしています。残念ながら同店は2017年に閉店しているので、千葉にお住まいの皆さんは懐かしく思われるでしょう。
それと、最後は明治神宮前駅の出入り口付近でロケをしています。あそこに映っている通行人はすべてエキストラさんです。『ほん怖』の大元は私が企画から立ち上げた超低予算のオリジナルビデオ(ビデオ専用映画)でした。オリジナルビデオの時は、人通りの多い町中で撮影する場合、「盗み撮り」をしてました。つまり、町の人からクレームが付いたり、場合によっては警察が来てしまうこともあるわけなのでヒヤヒヤで撮影をしていたものです。しかし、フジテレビ『ほん怖』では、撮影許可をしっかり取って、通行人役のエキストラさんに来てもらい落ち着いて撮影していたのでありがたかったです。
なんで、こんなことを書いているのかというと、実は、オリジナルビデオ版『ほん怖』の製作会社JHV(ジャパンホームビデオ)がこの明治神宮前駅の目の前にあったからです。フジテレビのロケでこの周辺をよく使うので、たまたまここでロケしたのですが、撮影中に「『ほん怖』のオリジナル版を作った会社は直ぐそこだよ」とスタッフに話したことを思い出しました。JHVは別場所に移転しましたが、オリジナルビデオ版は数年前にDVDが再販されたので以下にご案内しておきます。
フジテレビ『ほんとにあった怖い話』公式サイト