寝言

トキワ荘記念碑の除幕式に行った。

満開の桜の下、漫画業界の方が多数列席されていた。

満開の桜の下、漫画業界の方が多数列席されていた。

 先日、トキワ荘の記念碑「トキワ荘のヒーローたち」の除幕式に行ってきた。と言っても招待されたわけではなく、旧友に誘われて単に見学しに行っただけである。私はそれほど漫画好きというわけではないが、やはり手塚治虫を筆頭に赤塚不二夫、石森章太郎、藤子不二雄らの作家の作品には当然親しんでいる(私が子供の頃は、「石ノ森章太郎」ではなかったし、「藤子・F・不二雄」と「藤子不二雄A」でもなかった)。それに、トキワ荘に通っていた“通勤組”のつのだじろうさんの『亡霊学級』をビデオ映画として映像化し、『恐怖新聞』は『予言』のタイトルで映画化もしている。つのださんと話をしている際にトキワ荘の話題が上ったこともあった。だから、トキワ荘にはそれなりの思い入れがあったのでこの除幕式にちょっと興味が湧いたのだ。

 そして、記念碑が建立される豊島区の南長崎花咲公園を訪れた。除幕式に先立ってトキワ荘の住人だった鈴木伸一さん、水野英子さん、よこたとくおさんらの挨拶があった。その中で印象に残ったのは、この方々がトキワ荘で青春をおくっていた50年前、漫画は子供たちを無能にさせる低俗な代物だと社会から敵視されていたという話だった。

人がいっぱいで肝心の記念碑はこんな写真しか撮れなかった。しっかり見たい方は新聞などの記事を検索するか、現地に足を運んでください。

人がいっぱいで肝心の記念碑はこんな写真しか撮れなかった。しっかり見たい方は新聞などの記事を検索するか、現地に足を運んでください。

私も小学生の頃は「漫画を読むとバカになる」と大人たちが様々なメディアで騒いでいた記憶がある。それが今やトキワ荘の記念碑が建ち、漫画やアニメは世界に輸出されて日本が誇る文化とまで呼ばれている。トキワ荘の関係者に限らず漫画に人生を捧げた方々の努力と熱意があってのことだが、変われば変わるものだ。
 さて、その話を聞きJホラーも記念碑くらい建っても良いのではないかと思った。漫画同様にレベルの低いものと見なされていたホラーを評価させ、海外にも輸出されて日本を広く知らしめたのである。でも、現状の落ち着いてしまった人気ではそれは難しいだろうな。50年後も日本のホラーが国内外から支持してもらえるように何とか頑張りたいものだ。

アニメ界の重鎮、鈴木伸一さん。藤子不二雄のキャラクター、ラーメン好きの「小池さん」のモデルになった人。生でお姿を拝見してちょっと感激した。

アニメ界の重鎮、鈴木伸一さん。藤子不二雄のキャラクター、ラーメン好きの「小池さん」のモデルになった人。生でお姿を拝見してちょっと感激した。

女流漫画家の草分け的存在でトキワ荘の紅一点だった、水野英子さん。

女流漫画家の草分け的存在でトキワ荘の紅一点だった、水野英子さん。

学習漫画の雄、よこたとくおさん。

学習漫画の雄、よこたとくおさん。