寝言

2011年3月11日、『POV~呪われたフィルム~』脚本脱稿、そして一度は製作断念。

本日、午後2時46分。黙祷いたしました。
10年前の今日、半年近く掛かって書き上げた『POV~呪われたフィルム~』の脚本をようやく脱稿して、プロデューサー陣に提出したのがお昼前。少し休んでから、脚本協力の佐東みどりに電話して今後の進行について話し合っていた最中に揺れが来ました。
その後、「こんな時にホラーじゃない」と『POV~呪われたフィルム~』への出資を約束していた会社が撤退するという連絡があり、私も同じ気持ちだったので製作断念。
そして、さらに数日後、残務整理のつもりでプロデューサー陣と話し合っていたら、「Jホラーは世界に誇れるコンテンツだから、むしろ作った方が世界に日本は元気だとアピールできるのではないか」という逆の意見が出てきて、私も「そうかもしれない」と思い直しました。
結果、プロデューサーも私も自腹を切って一から再出発。その思いに東宝映像事業部さんが乗ってくださり完成、そして翌年の公開にこぎ着けました。
被災地の報道を目にするたびに心が萎縮しました。でも、私は「Jホラーの父」と呼ばれ、Jホラーだけでなく映画の一部を支えてきたわけです。何があっても自分の仕事には自信を持って邁進しないといけないとも思った10年前でした。
『POV』チラシ表1049