寝言

『恐怖コレクター』シリーズに興味を持ってくれる方々に、あらためて作品紹介です。

累計55万部を突破し、来月14日『恐怖コレクター 巻ノ十六 青いフードの少年』発売待機中の『恐怖コレクター』。

本シリーズに新たに興味を持ってくださる方も増えてきた感触がありますので、あらためて作品紹介をさせてください。
「くねくね」、「ナノカちゃん」、「テケテケ」、「不幸の手紙」等などの都市伝説が各地で具現化。千野フシギという謎の少年が、それを奇妙な呪文と赤い手帳で回収して歩いている。しかし、その都市伝説を具現化させているのは双子の妹、千野ヒミツだった。フシギはその呪いを収めることで、唯一の家族ヒミツと再会できると信じているが、そこには様々な困難が待ち受けている。
この基本設定は、米国TVドラマ『逃亡者』、『インベーダー』や日本の『木枯らし紋次郎』やジョン・カーペンターの『要塞警察』、『ニューヨーク1997』に愛着がある私と、この世に目を通していないコミックがないのではないかと思うくらいにコミック、アニメに詳しい佐東みどりとで、角川つば文庫の編集者を挟んで色々と話し合っているうちに生まれたものです。そこに、人気の「よん」さんが見事な挿絵を描いてくれました。
第1巻『顔のない子供』が発売されたのは2015年6月。各巻に約6話を掲載して、年に2~3巻を発売。
各話ごとの異なる小中学生が様々な都市伝説の恐怖に巻き込まれますが、千野フシギは妹を探すことが大きな目的なので、都市伝説に巻き込まれたその小中学生たちを見捨ててしまうことも度々あります。
「助けてください!」と懇願しても「僕には関係ない」と無視したり、「友達を助けに行ったら君は戻ってこられない」と忠告しても助けに行く主人公がいると「理解できない」と見放して去ってしまいます。
しかし、それがかえって読者をひきつけたようです。もちろん、この欠陥のある千野フシギが少しずつ成長をしていく過程に、魅力を感じてくれているようでもあります。
当初は5~6巻で終了すると思っていたのが、予想外の人気でここまで続いてきました。
オリジナルビデオから始まりフジテレビ系全国放映に発展した『ほんとにあった怖い話』(通称:ほん怖)を手がけているときから脳裏にあった、「半分大人の子供、半分子供の大人に楽しんでもらえれば望外の喜び」という『失われた世界』のコナン・ドイルの序文が、本作を手がけてからはより鮮明に思い起こされる今日この頃です。
児童文庫ではありますが、大人の皆さんにも楽しんでいただければ幸甚です。
なお、PVは3年前に編集部が作ってくれました。