映画はアナログなフィルムから全てがデジタルに…。

▲学生時代からの友人に『POV?呪われたフィルム?』の海外向けチラシをプレゼントしたらこんな写真を送ってきてくれた。ルパンが盗むほどの価値が出てくれたら思い残すことは何もない。
先日、NHK「クロースアップ現代」で映画がフィルムからDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)に切り替わるという特集をやっていた。一般の方はDCPという言葉は聞き慣れないだろうが、要するに映画は撮影から上映までアナログなフィルムではなく、全てデジタルになるという事である。
父が名画座「三鷹オスカー」を経営していた私としてはやはりフィルムに愛着があり、今までもフィルムで撮れる限りはフィルムで撮ってきたのだけど、やはり時代の流れには逆らえない。
私の新作『王様ゲーム』も『POV?呪われたフィルム?』も既にフィルムで撮影していない。特に『POV』の劇中に登場する試写室では35ミリプリントで映画が上映されているのだが、これは今このシチュエーションを描かないと今後、二度と描くことが出来ないという思いからだった。映画はプリントで上映されていたという事を映画の中にしっかりと描いておきたかった。
でも、数年すると、若い人たちはこのシーンの映写室で回転しているセロテープの様なものは何だろうと疑問をいだく古くさい作品になってしまうのだろう。そう思うとやるせない限りだ。