寝言

水上竜士さん、出演&共同脚本『カミハテ商店』を観た。

sleep-img20121019-1『リング0?バースデイ?』で貞子の主治医を演じている水上竜士さんから試写の案内をもらい『カミハテ商店』(11/10公開)を鑑賞した。水上さんとは1992年の『新・ほんとにあった怖い話/幽幻界』に出演してもらって以降のお付き合いだからもう20年になる。『カミハテ商店』は水上さんが重要な役で出演しているだけでなく初劇映画監督の山本起也監督との共同で脚本も書き、ラインプロデューサーも務めていた。
断崖絶壁の自殺の名所近くでさびれた店をかまえる千代(高橋恵子)。自殺者は最後に千代の店でコッペパンと牛乳を買って去っていく。彼女はそんな彼らをただただ見送るだけで何もしない。たまに何かするとますます絶望的なことになる。だから、見送るのみである。己を含めた人間の絶望を見過ぎて生きながらにして幽霊のようになった、そんな千代という女性の物語。
自殺者が断崖絶壁に向かう前に出会う千代が、私も参加したTVドラマ『スカイハイ』の怨みの門番イズコ(釈由美子)とダブった。イズコは死者の過去を見て地獄か、転生か、現世をさ迷うかを死者に決めさせていたが、本作の千代は何もしない。
『スカイハイ』から既に10年近くが経ち毎年3万人以上の人々が自ら命を絶ってしまう自殺大国日本では、死者に積極的にかかわるイズコよりも何も出来ない千代の方がいまや現実を反映しているのかもしれない。それだけにラストの皮肉な人とのつながりとわずかな千代の微笑みに感動した。
そういえば、この傍観するばかりの幽霊のような千代はイズコと言うよりも〝おろち〟にそっくりだと、いま気づいた。
ということで、自作『リング0?バースデイ?』と『おろち』は11月23日(金)「三鷹コミュニティシネマ映画祭」で上映です。

『カミハテ商店』↓

http://www.kitashira.com/

「第3回 三鷹コミュニティシネマ映画祭」↓

http://cinema.mall.mitaka.ne.jp/