寝言

ポン・ジュノ監督が発したスコセッシの「最も個人的なことが、最も創造的なのだ」について。

ポン・ジュノ監督が引用したスコセッシの言葉。

「最も個人的なことが、最も創造的なのだ」。

これはクリエイターにとっては真理だけど、プロデューサーや出資者には往々にして理解してもらえないのも、これまた真理なのが困ったところです。

「深作欣二は俺たちの言うことを全然聞かなかったけど、『仁義なき戦い』は大ヒットした。映画って多数決で作ったら成功しないんだよ」と東映の故・岡田茂会長がインタビューで答えていたのを思い出します。

そういえば、女子高生達が協力して自主製作アニメを作る物語のNHKアニメ『映像研には手を出すな!』の中で自分の考えたことに自信が持てなくなった女子高生監督、浅草みどりに、女子高生プロデューサー、金森さやかがこんな事を厳しい口調で言っていました。

「私は納期と予算さえ守ってくれれば何も口出しをすることはありません。ですが、浅草氏は自分が良いと思ったことを表現する選択肢しか残されていないのですよ。スタッフはそれが素晴らしいものになると期待をして協力をしていく。でも、もし浅草氏がクソ面白くないもの作ったときは責任は取ってもらいます。なぜなら、浅草氏が監督だからです」

金森さやかはプロデューサーの鑑だと思って涙が出ましたね。

とにかく、『パラサイト 半地下の家族』の受賞と、ポン・ジュノ監督の映画愛に溢れたスピーチは全ての映画人に勇気を与え、奮起を促したと思います。
あらためておめでとうございます!
https://www.cinemacafe.net/article/2020/02/10/65747.html