ジョン・カーペンター監督『ザ・フォッグ』40周年を迎えて思うこと。
『ザ・フォッグ』からもう40年なんですね。
今は無きニュー東宝シネマで『ハロウィン』を、テレビ東京で『要塞警察』を観て虜になったジョン・カーペンターの期待の新作『ザ・フォッグ』が当時の洋画ロードショーの一流館、有楽座で公開されたときには、「時代が変わる!」と興奮したものでした。
でも、期待したヒットになりませんでした。
その後の『ニューヨーク1997』以降もそれなりで、しかも一部の心ある映画ファンには高く評価されつつも、カーペンターはB級映画監督とみなされることになり本当に寂しくなりました。
huluで配信が始まった「VICEシネマガイド」の「ジョン・カーペンター」を見ると「俺はフランスでは映像作家、ドイツでは映画監督。そして、アメリカでは役立たずだ」とご自身が自分を評していて、なんとも切なくなります。
大作『遊星からの物体X』が酷評されてコケて、一方で同時期公開の『E.T.』は大ヒットですから、そう言いたくなるのもわかります。
私も黒沢清監督、中田秀夫監督、清水崇監督、高橋洋さんらが「鶴田監督のOVホラーに影響を受けました」と言ってくれて“Jホラーの父”という冠もいただいてますが、皆さんのようなエポックメイクなヒット作も無いし、有名な映画祭で賞を取った事もありませんからね。
でも、魑魅魍魎の映画界でジョン・カーペンターもなんだかんだで生き抜いてきたのですから、それを見習って私も頑張らないと!
と『ザ・フォッグ』製作40周年と知ってあらためて思います。