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『ほん怖 傑作選』:『訪問者』、『乗せて…ください』、『真夜中の徘徊者』、『迷子』解説。

18日(土)『夏の特別編2018』放映を前に、Twitterのほんとにあった怖い話[非公式]さんが、各ローカル局の『ほんとにあった怖い話 傑作選』のラインナップを投稿されていたので、それを基に私、鶴田法男の演出作品ほかについて、「思い出話」や「裏話」など記しておきます。

今年の『夏の特別編2018』は脚本で1本参加するだけで、演出含めノータッチです。

フジテレビ『ほんとにあった怖い話 傑作選』公式サイト ←こちら

 

【傑作選情報】

  • テレビ宮崎 8/13(月)15:55〜16:49
  • テレビ愛媛 8/14(火)14:55〜15:50
  • テレビ西日本 8/15(水)24:55〜25:55
  • テレビ新広島 8/17(金)15:50〜16:47

 

◆『訪問者』(2004年)

演出:鶴田法男、後藤博幸 脚本:新田隆男 出演:本仮屋ユイカ

【解説】この作品が放映された2004年は『ほん怖』のレギュラーシリーズを撮りながら、テレビ朝日『スカイハイ2』を撮り、東宝配給映画『予言』(主演:三上博史、酒井法子)の撮影もしました。Jホラー人気の最盛期だったのでまさに目が回る状態でした。

この『訪問者』は、10月2日に『予言』の初日舞台挨拶を終えた2日後の撮影だったのですけど、私はロケハン(ロケ場所の下見)のつもりで行ったら、カメラも照明も揃っていて、しかも本仮屋ユイカさんも居てビックリしましたね。慌てて撮った作品なのに、「たずねてきました」の台詞と共に多くの方から「トラウマになってます」と言われるので不思議です。

 

 

◆『乗せて…ください』(2005年)

演出・脚本:鶴田法男 出演:井上和香

【解説】私が記憶する限り自転車をメインに使った作品は、フジテレビ『ほん怖』の1999年の記念すべき一作目『オープニング』(主演:池脇千鶴)があっただけなので、この作品をやってみようとなった記憶があります。当初、撮影は一晩で終わる予定でしたが、撮影開始2、3時間後に雨が降り出して撮影中止し、日をあらためて続きの撮影をしました。

余談ですが、現在『虹色デイズ』『榎田貿易堂』がヒット中の飯塚健監督と私は交流があり、井上和香さんは飯塚監督とご結婚をされたので個人的に身近に感じております。

 

 

◆『迷子』(2004年)

演出:鶴田法男 脚本:玉城悟 出演:佐々木蔵之介

【解説】霊に情を寄せたためにつきまとわれてしまう体験談はコミック「HONKOWA」にも良く登場します。ですが当時、私は結婚17年で子供を持ったので、子供の霊がつきまとう原作漫画を読んだときに怖いと言うより切なくてドラマ化したいと思った記憶があります。

 

『迷子』ロケハン写真

『迷子』ロケハン写真

 

◆『真夜中の徘徊者』(2003年)

演出:鶴田法男 脚本:清水達也 出演:阿部寛、石橋けい、田中哲司、真木よう子

【解説】車椅子を押した看護師が追いかけてきて、最後はトイレで・・・。という「ゾンビ看護師」の怪談、もしくは都市伝説は昔からあります。その起源に関しては諸説あるようですが、これだけ長く語り継がれるのは、やはり独特の魅力があるからでしょう。

『ほん怖』では1999年の記念すべき一作目で『社内怪報』(主演:杉本哲太)として、フジテレビの関卓也監督の手で一度ドラマ化して好評を得ていました。ですが、その4年後にプロデューサーから「もう一度やりたい」と請われて取り組んだのが本作です。2006年の『そこにいる!』(主演:高嶋政伸)も「ゾンビ看護師」の応用バージョンと言えます。

ピントをぼかしスローモーションにする幽霊演出は、ビデオ『ほん怖』の時からやっていた演出でしたが、フジテレビ『ほん怖』では本『真夜中の徘徊者』で確立したと言えます。また、阿部寛さんの愛嬌のあるキャラ作りが私の恐怖演出とうまくコラボしていると思います。

ところで、主人公が指輪をあの水の中に落とすのは台本にはありませんでした。ですが、ロケハン中に思いついて撮影用にわざわざ便器を作ってもらいました。

私の1996年のオリジナルビデオ『亡霊学級』(原作:つのだじろう)で主演だった石橋けいさんと再び仕事が出来たのが嬉しかったですね。また、まだキャリアの浅かった真木よう子さん、田中哲司さんも出演されているのも見所でしょう。

『真夜中の徘徊者』ロケ場所

『真夜中の徘徊者』ロケ場所

 

『恐怖コレクター』公式サイト

『恐怖コレクター』公式サイト