寝言

複雑な人物と原爆開発という難しい題材が、監督の資質とピッタリ合っている傑作映画『オッペンハイマー』。

『オッペンハイマー』鑑賞。
登場人物が多いし、いつものノーラン節で時系列メチャクチャなので疲れる。
それでもクリストファー・ノーランの最高傑作だと思えるのは、オッペンハイマーという複雑な人物と原爆開発という難しい題材が、監督の資質とピッタリ合っているからだろう。
また、原作は未読だけど、昔からマンハッタン計画やオッペンハイマーのNHK特集などは真剣に見てたし、本作ではマット・ディモンが演じたマンハッタン計画の責任者グレーヴス将校をポール・ニューマンが演じた『シャドーメーカーズ』の内容をかろうじて覚えていたので馴染みがあったので助かった。
そう言えば、『キリング・フィールド』、『ミッション』のローランド・ジョフィ監督作だけど未公開になった『シャドーメーカーズ』について言及している『オッペンハイマー』の解説や評論をほぼ見かけたことがない。
ポール・ニューマンと言えども、今回の『オッペンハイマー』同様のバイアスがかかってビデオスルーになったのかしら? まあ、あまり面白い映画ではなかった記憶だけど。
あと、京都を目標リストから外したものの、原爆投下そのものは推進したヘンリー・スティムソン陸軍長官をジェームズ・レマーが演じているのが興味深かった。レマーの奥さんは日本人で本人も日本語がかなり堪能な人だから、なんだか複雑な気持ちになってしまった。だけど、1,200円の充実したパンフレットにジェームズ・レマーの名前が載ってない。
それにしても、所々に入る核分裂のイメージ映像がまるで『2001年:宇宙の旅』のスターゲートの様で、外宇宙での自分発見の旅の物語『インターステラー』に対して、『オッペンハイマー』は内宇宙での自分発見の旅の物語と受け取られて、興味深い作品でした。
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