寝言

やっと発売できた『第3の選択』DVDには自作と同じ愛着を感じてます。 皆さんに感謝!

2000年の『リング0』辺りから「ホラー映画ベスト10」とか「ベスト3」を教えて欲しいと尋ねられることが増えました。最初のうちは1位にロバート・ワイズ監督『たたり』を上げて、2位に『第3の選択』を挙げていました(ちなみに3位は東宝映画『幽霊屋敷の恐怖/血を吸う人形』)。でも、媒体関係者の皆さんが『第3の選択』を知らないのです。そもそも『第3の選択』はホラーではなくてSFだし、映画じゃなくてテレビドラマ、しかも1978年の初放映はフジテレビの深夜で、ノベライズの出版とともに話題になった日本テレビ「木曜スペシャル」放映も80年代初頭でした。VHSソフトが出たのも’92年だから’00年では既に8年が経過していました。これでは理解されないのは当然です。だから段々と『第3の選択』のタイトルをあげるのを止めて『エクソシスト』や『ヘルハウス』、もしくは他のJホラー作家が常に幽霊映画の傑作と口にする『回転』を挙げることにしました。
しかしその後、地球温暖化で氷河期が訪れるパニック映画『デイ・アフター・トゥモロー』がヒットし、米国元副大統領アル・ゴアが地球温暖化の危機を訴えたドキュメンタリー『不都合な真実』が話題になりました。また『パラノーマル・アクティビティ』が評判になり、フェイク・ドキュメンタリーが多数作られはじめたのです。これらを見ていてどれもこれも1978年の深夜にフジテレビで突如放映されて私に強烈なトラウマを残した『第3の選択』が既にやっていたことではないかと思ったのです。それなのになぜみんなはこの作品を知らないのだといら立ってきました。というのが『第3の選択』のDVD化に奔走する発端だった気がします。
先日、ウェッブマガジン「エンタジャム」のニコニコ動画のインタビューで「そもそもなぜ『第3の選択』をDVD化しようと思ったのか」という質問を受けて、海外映像作品の日本への紹介を手がける企業フィールドワークスさんの社長と会食をしたときに『第3の選択』のDVDが発売されていないと気づいたから、とシンプルに答えました。しかし、その会食の時に私は最初から’92年発売のVHSソフトを持って赴いていた事を今になって思い出しました。つまり、それ以前から『第3の選択』のDVD化を熱望していた自分が居たのです。

エンタジャムの『第3の選択』記事と私のインタビュー ↓
http://www.enterjam.com/?eid=8641#sequel

とにかく今回、マクザムさんが販売を引き受けてくれたことで念願叶って『第3の選択』が無事にリリースできたことに関係者だけでなく本作を既に購入された方、興味を持ってくれている方、その他のすべての皆さん心より感謝するばかりです。
ところで、今回の発売で本作のさらなる影響力を知ったのでここに記しておきます。
2010年に発売されたマイクロソフト、Xbox360「キネクト」のPVが『第3の選択』のパロディなのです。既にDVDを購入されてご覧になった方なら、この「キネクト」PVの面白さが分かると思います。

Xbox360「キネクトの衝撃」PV ↓
http://youtu.be/yCa2Hfy7oDA

私はゲームをまったくやらないので不覚にも知りませんでした。かつては「ドラクエ」、「FF」、「バイオ・ハザード」シリーズやPCゲーム「プリンス・オブ・ペルシャ」、「ダンジョン・マスター」、「ポピュラス」とかを楽しんだのですけど、はまり過ぎて仕事をまったくしなくなったので、今は怖くてゲームに手が出せないのです。心の弱い自分が情けないです。
その他、『第3の選択』の詳細についてはDVDのライナーノーツや「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2011」の私のトーク映像、そして本作の監督、脚本、主演による製作30周年の撮影裏話をご覧になってください。

 

1978年、日本初放映時の新聞ラテ欄。

1981年発行、ノベライズ。

1982年、日本テレビ放映時、新聞ラテ欄。

1984年リリース、細野晴臣「S-F-X」には「ALTERNATIVE/第3の選択」という曲が収録。