寝言

今まで観てきた創作劇の中で5本指に入れたい超絶傑作! 演劇プロジェクト鵺的『天使の群像』!

劇作家、高木登氏の演劇プロジェクト「鵺的」の新作『天使の群像』観劇。

鵺的の芝居を毎度「超傑作」と絶賛しているので、もはや私がどんなに賞賛しても説得力が無いかも知れないけど、この『天使の群像』は自分が今まで観てきた創作劇の中でも5本指に入れたい超絶傑作。

「創作劇」ということは映画も映像ドラマもひっくるめての事で、この作品を観られた喜びでマジにそう思います。

高木登作品の多くは、矛盾と不条理に満ちた社会を生き抜く人々の姿を露悪的に描くのでホラーに見紛うおぞましさに溢れているのだけど、そこには必ず人間を信じる作家のささやかな希望と優しさがあり、釈然としない終わり方であっても、普段感じる事の出来ない人間の魂に触れらた気がして心の奥底から湧き出るような感動を覚えます。

この『天使の群像』は学校のいじめやハラスメント、そして様々な問題をはらんだ学校という存在を題材にしており、いままでの「鵺的」作品の中でも最も我々に身近なテーマなだけに、非常に観やすく理解しやすい作品だと思います。

しかし、なんとも怖ろしい緊張感に溢れているのはいつもの通りで、しかも小崎愛美理氏の鮮やかでありながら地獄が待ち受けているような不安に満ちた演出が一瞬のスキも無い凄まじさで、あっと言う間の2時間半が終わった時にはヘトヘトになっておりました。

今までの天才演出家、寺十吾氏の演出も凄いけど、小崎愛美理氏の演出も強烈でしたね。ちなみに、今回は出演に徹した寺十吾の芝居が凄すぎて、満杯の客席が水を打ったように静まりかえったのが衝撃、いや、痛快でした。

演劇界隈のことは分からないのですが、この作品は何かの賞を取っても全然おかしくないと思いますね。

Xmasに相応しいかどうかは悩みますが、こんな体験が出来る演劇にはなかなか出会えないので、2023年の締め括りとして是非の観劇をお薦めします。

先ほど横浜シネマノヴェチェントでの「小原徳子映画祭」の発表があった、女優&作家の小原徳子氏を誘って今日は観劇。
実は、小原くんは演出の小崎愛美理氏とは昔からの知り合いだったそうで、上演後にこんな4ショットになりました。
左から小原徳子、小崎愛美理、高木登、そして私、鶴田法男。
『天使の群像』は下北沢ザ・スズナリで29日迄。

ステージナタリーの記事。
https://natalie.mu/stage/news/554317

鵺的のサイト
http://www.nueteki.org/

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