寝言

英国俳優マイケル・ケインが引退宣言をしたのが、個人的に大変ショックでした。

先日、英国俳優マイケル・ケインが引退宣言をしたのが、個人的に大変ショックでした。
実は、それまでは親や兄に連れて行ってもらっていた映画館に、初めて一人で観に行ったのが旧「日劇」地下の「日劇文化」で上映された『探偵<スルース>』でした。1973年5月です。
テレビで「凄いどんでん返しがある」と紹介されていたので観に行ったのですが、『フレンジー』等のアンソニー・シェーファーの戯曲を『イヴの総て』のジョセフ・L・マンキーウィッツ監督(遺作です)が映画化した地味なサスペンス・ミステリですから、思い返せばませた中学1年生でした。
オリヴィエもマイケル・ケインもスクリーンでお目にかかったのはこの時が初で、特にマイケル・ケインがもの凄く魅力的でした。以降、マイケル・ケインの映画は欠かさず観ようと思ったものです。
ちなみに本作は、VHSが国内発売されたものの、円盤は未発売なので数年前に輸入DVDを購入。ただし、英語がサッパリなので最後まで再見したことは御座いません(泣)
そして、時間はいきなり1999年3月に飛びます。
初めてテレビドラマの監督で関西テレビ『学校の怪談/たたりスペシャル』の一篇『たたり』の撮影に入ったところ、当時17歳だった主演の岡本綾さんがロケバスで『スタニスラフスキー入門』(だったと思う)を読んでいたので感心して話しかけたところ「マイケル・ケインの『映画の演技』を読んだことがない」と言うので、翌日、自分の持っていた同書を現場に持ってきてプレゼントしたのでした。
既に3、4回読んでおりましたが、初版本でした。後に女優業を引退すると分かっていたら、プレゼントはしなかったかも知れません。
あの時は、初めてのテレビドラマの撮影だったし、平山秀幸監督の傑作『学校の怪談』で重要な役を演じた少女が自作に主演してくれていることが嬉しくて舞いあがっておりました。
そんなわけで今手元にある『映画の演技』は4刷り目のものです。非常に分かりやすいし、やはりマイケル・ケインの本なので日本でも売れたのでしょうね。
結婚前の家内とデートで初めて観た映画が『殺しのドレス』でしたし、マイケル・ケインには本当に様々な大切な思い出を作ってもらいました。ありがとうございます。
引退後の生活が穏やかで素敵な日々になることをお祈りするばかりです。
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