ジャニーズ事務所に「社名を変えます」と最低でも決断させないと、日本は世界の中で後進国になるだけだと思います。
ことのところのジャニー喜多川氏の性加害問題の報道を見ていて思うことを記します。
数ヶ月かけて書き上げた若い女性が主人公のドラマの脚本を、「ジャニーズを主演にしたいから男性に書き換えて」と某テレビ局のプロデューサーに言われて書き換えたことがあります。
また、同じ局の別のプロデューサーからは、少年が主人公の私の小説をテレビ化したいと言われて喜んだものの、「でも、主人公を少女に換えて欲しいんです」と条件を付けられたので、「なぜですか?」と尋ねたら、「少年が主人公だと主演はジャニーズじゃないと企画が通せないからね。でも、ジャニーズとは付き合いたくないんだよね。面倒くさくなるから」との返答だったので、自分の小説のテレビドラマ化というありがたい申し出ではありましたけどお断りしました。
実は冒頭に記したプロデューサーからは、女子高生が主人公の脚本を、人気の中年男優(非ジャニーズ)を主演にしたいから大至急書き直して欲しいと連絡をもらったことがあります。プロの脚本家でなくても無茶苦茶な注文なのはご理解頂けると思います。ですから、さすがにこの時は断りました。
つまり、このテレビ局ではジャニーズや大手芸能事務所、そして人気俳優が最優先で、監督や脚本家、また、原作や原作者はないがしろにしても良いという考えが「企業内常識」になっているのです。
もちろん、スター第一主義で作られる作品も多数あることは理解しているし、それを否定する気はありません。しかし、全ての映像ドラマが大手芸能事務所や人気俳優優先主義で作られるのは「歪んでいる」と思います。
それと7日のジャニーズ事務所の会見直後に、多くのテレビ局が、慎重に見極めたいけど所属するタレント個人に問題は無いという理由で起用を続ける方針を打ち出してました。
しかし、各テレビ局は今まで、メインキャストやスタッフが違法行為を行った作品を即刻放映中止にしてきました。また、場合によっては有料配信さえも止めてしまった局もあるわけです。
私には「矛盾した対応」に思えます。
結局、問題を起こした相手が大きな力を持っていると慎重な対応になり、力の弱い個人だといきなり切り捨てる。これが現状のテレビ局の姿勢だと思います。
テレビ局の目線は、「視聴率」と「力関係」だけに向いていて、本来基準にすべき「人権」や「文化の育成と発展」は蔑ろにしている気がします。
月曜日のNHK「クローズアップ現代」や他の報道を見ると、「忖度をしてしまった事を反省する」的な事を大手メディア関係者は口にはしつつも、実際には「忖度から抜けきれていない」と思います。
大手企業がジャニーズ事務所とのCM契約を解除すると言い出したのでテレビ局のスタンスも変わるかも知れません。
とにかく、ジャニーズ事務所に「社名を変えます」と最低でも決断させる状態にしないと、日本は世界の中で後進国になるだけだと思います。
もちろん、社名変更したらOKということではなくて、被害を受けた方々にジャニーズ事務所だけでなく日本のメディア全体がしっかりと向き合わないといけない事ではあります。



