寝言

Blu-rayディスク『マニトウ』を堪能!

楽しみにしていたBD『マニトウ』をやっと堪能。

私のようなジャンル・ムービー好きにとっては、今は無き「日比谷スカラ座」の大スクリーンで本作を見ることが出来たのが、忘れがたい思い出です。
日比谷スカラ座はヘプバーンの『ローマの休日』、『マイ・フェア・レディ』や『トミー』、『サタデー・ナイト・フィーバー』などを上映してきた劇場ですから、『マニトウ』はホラーと言っても「格が違う」感じがしました。

『エクソシスト』の大ヒットでレベルの低いモノと考えられていたホラーが市民権を得てきたので、なし得た偉業でしたね。
もちろん、主演のトニー・カーティス、スーザン・ストラスバーグは既に人気の旬が過ぎていたとはいえ、メジャー映画や世界の映画祭で賞を受賞する映画の主演をはってきた役者さんですからスカラ座にかかってもおかしくないキャストでした。

作品的にはウィリアム・ガードラー監督が公言しているように『エクソシスト』+『スター・ウォーズ』というあり得ないコンセプトで陳腐に感じるところもありますけど、当時の様々な『エクソシスト』亜流ホラーとは一線を画す娯楽作になっていて血湧き肉躍ったものです。
ただし、スカラ座の公開は2週間限定で、直ぐに小ぶりな劇場「日比谷スバル座」に移ってしまいましたけど、スカラ座で『マニトウ』を見られたのは至福でした。
スティングレイ、岩本克也社長の深い愛情がこもったBDなので、日本公開時のことやその後のテレビ放映時の反響などは、岩本社長自らの手によるブックレットに書かれているので、それを読んでみてください。

ブックレットを読んで驚いたのが、あの「パナ、ウィチィ、サリトゥ」が原作にない映画オリジナルの呪文だったことです。(※下記参照)

それと、特筆しておきたいのが「日本語吹替えテレビ放映版再現再生」ですね。昨年、やはりスティングレイから発売された『ビッグ・マグナム77』にも収録されていましたけど、テレビ放映時のままの吹き替えと編集で再生が出来るというのが本当に感涙です。
特に『マニトウ』はインディアン呪術師ジョン・シンギングロック(マイケル・アンサラ)の千葉耕市さんの吹き替えが最高に渋くてかっこいいので、実は「水曜ロードショー」放映版がオリジナルよりもお気に入りだったりします
恋人カレン(スーザン・ストラスバーグ)に400年前のインディアンの悪霊が取り憑いていると気づいた主人公ハリー(トニー・カーティス)が、ジョン・シンギングロックに悪魔払いを依頼しに来るシーンでこんなやり取りがあります。

「実はある女性が苦しんでる」
「知り合いなのか?」
「とても親しい間柄だ」
「それは良い。愛は最も強力な呪い(まじない)の一つだ

普段はどちからというとドラキュラや怪人の吹き替えが多い千葉耕市さんの声が、最後の台詞を語るとなんとも萌えるのす。
気がついたらいっぱい書いてるな……。
他にも思うことがありますけど、きりが無いので止めます
B級映画と言えばそれまでの作品ですが、生涯愛すべき一本です。
※Twitterに記した「イワコデジマ、イワコデジマ」はフジテレビ『ほんとにあった怖い話』の呪文。「セラテイロノ、セツウイロノ シャ・エイ」は小説『恐怖コレクター』の呪文。
http://stingray.co.jp/store/mani_bd.html
BD『マニトウ』