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『呪怨:呪いの家』、子供たちに見せられないが、Jホラーに新たな歴史を刻む傑作なのは間違いない。

締め切りを過ぎた仕事を終えてから観るつもりだったけど、我慢できずに『呪怨:呪いの家』を鑑賞。
呪われた一軒家の物語から、日本という呪われた国の壮大なホラーに発展した作品。
人物を暗がりに立たせて、ピントをボケさせて撮影する幽霊演出は、私や石井てるよし監督が編み出した心霊写真風演出を的確に踏襲したものだが、その感触は生々しく今までとは全く違う。実在の猟奇事件を背景にした脚本から生じる効果だろう。Jホラーに新たな歴史を刻む傑作なのは間違いない。
ただし、清水崇監督の『呪怨』のユーモアは全く排除されて陰惨の極みなのが個人的には難あり。林間学校や臨海学校の夜中に仲間と語り合った怪談話の怖さと楽しさを作品にしたいと『ほん怖』を作り始めて、小説『恐怖コレクター』や『怪狩り』などを執筆している自分としては、子供たちに見せられる内容ではないのがいささか残念。
やはり自分は、恐怖にロマンを求めているのだなあ、とあらためて感じた。