寝言

大傑作『バッド・ジーニアス』、ナタウット監督とリンちゃんに会えました!

『バッド・ジーニアス/危険な天才たち』の日本公開ヒットを祝って来日したナタウット・プーンピリアン監督とチェティモン・ジョンジャルーンスックジン(役名リン)ちゃんに会えました。公開当初より「大傑作!」と私が騒いでいたので、配給のマクザム&ザジフィルムズさんが特別に配慮をしてくださってのことです。両社に心より感謝を申し上げます。

お会いすることが決まる前から11月4日(日)のチネチッタ川崎の舞台挨拶上映会のチケットは購入していたので、こちらもしっかり堪能させていただきました。

細かく書くとネタバレになってしまうので、舞台挨拶の模様については各媒体の記事を読んでください。

監督とリンちゃんとお会いしてお話が出来たのは短い時間でしたが、「撮影に入る前の準備期間は20日間しかなかった。通常はその倍の期間を準備にあてる」という話と、明確なところは教えてもらえなかったけど撮影日数もそんなに長くなかったようで、『カメラを止めるな!』ほどではないけど、これも低予算で作っていたのかしらと思いました。

それと実は、私は何回目かの鑑賞時に時間配分を気にしながら見ていたら、本作の一番の主題になる世界統一試験STICに挑戦する話になるのが映画が始まって50分なんです。
本作は130分の映画ですから、ざっくり言うと80分間は世界統一試験STICでいかにカンニングをするかの話に絞られている。
そこに至るまでも様々なカンニングシーンで「カンニング映画ですよ」という事前情報を知った上で見に来た観客を裏切らない作りになっているのに感心するのだけど、そのクライマックスにあたる「世界的カンニング」のエピソードは80分ある。
よくもまあ、80分を作ったよなぁ、と思ったので「不安はなかったのか?」と尋ねたら「いや、その時間配分は考えていなかった。実は最初に繋いだときは160分あったんだ」という返答でしたね。なるほど、それを的確に編集で刈り込んだから、このテンポになっているんだな、と個人的に納得でした。
それと、建物の外観とかの説明カットがほとんど無いのも関心なのです。
例えば、リンちゃんたちが海外に行く展開になるわけですが、旅客機の離陸や着陸の絵は全くなくて、リンちゃんのアップに旅客機の音が入ってきて、次のカットでは海外を歩いているリンちゃんがフレームインしてくるという繋ぎ。状況説明の絵は排除してる。状況は効果音だけで観客に伝えてしまう手際の良さなのです。
160分から130分にしたわけですから30分も短くする作業の中で説明カットを削除せざるを得なかったのかもしれないけど、それがものすごいテンポの良さを作って、贅肉のないカッコいい作品にしたのかもしれません。
とにかく惚れ惚れとする映画です。
その他、監督に音の演出についてや、役者の芝居の引き出し方とか色々と訊いてみたかったのだけど、マクザムさんとザジフィルムズさんのご配慮で無理に作っていただいたお時間だったので、短い時間でもこんな話が出来ただけで至福の時でした。
ナタウット監督は私の『リング0』、『予言』を見てくれていて、パンフレットに私の名前を記入してサインをくださったのが嬉しいです。もちろん、リンちゃんにもサインをいただきました。
土曜日は劇中同様のミニスカートで長い脚を惜しげも無く披露してくれていたリンちゃんですが、本日はパンツルックでしたね。これも素敵でした。
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