寝言

『カメラを止めるな!』が現在の日本映画の閉塞感を打ち破ってくれると信じています。

『カメラを止めるな!』に関して、自分なりの思いをFacebookに書き込んだところ予想外に前向きな反応をいただいたので、加筆、整理してここにも記しておきます。映画監督としては「諸刃の剣」な内容ですが、まあ、お許しください。

私はこの映画が現在の日本映画の閉塞感を打ち破ってくれると信じています。JK映画か、人気コミック原作か、海外の映画祭で賞を取った映画か、そういう要素の映画にしか観客が集まらないし、映画会社側もそれらばかりを優遇する。JK映画もコミック原作映画も賞映画も必要ですが、しかしもっと多様な映画があって良いはずです。
観客が自ら映画を発見し、開拓していく喜びを与えるのも映画会社や映画関係者の使命のはずです。大手の映画会社の作品でも最初からシネコンの50~100スクリーンを最低数は開けることを考えて作る必要は無いのではないかと思えるのです。作品をヒットさせて数字を積み上げる事ばかりを考えるのではなくて、作品や作家を育てる作業が映画や映像文化の市場を広げていくと思うのです。
期せずしてこの作品は大衆が自ら発信することで育っています。人気のコミックや有名な役者が出ていなくても映画はヒットする。『カメラを止めるな!』は映画の楽しみ方、芸術や文化の発展とは何か、その本質を教えてくれています。現在の日本映画界は大手メディアが力を持ちすぎた弊害が起きていると思います。
本来は作品ありき、作り手の熱意ありきだと思うのです。
カメラを止めるな!拡大公開

 

『恐怖コレクター』公式サイト

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