寝言

新文芸坐で『ジョーズ』再見。映画活動家、松崎まことさんの熱い解説文にワクワク。

最近しんどいことが多くて、若いときのキラキラした気持ちを取り返したくて新文芸坐で『ジョーズ』鑑賞。自分の棺桶に1本だけ映画を入れて良いと言われたらやっぱりこれかな。
それはさておき、「岩槻映画祭」で知り合った映像クリエイター、下田真佑さんが『ジョーズ』を劇場で観たことないというので一緒に観たら、ショックシーンでいちいち反応するので人力センサラウンドで楽しかった。

と、Facebookに投稿したら、映画活動家の松崎まことさんから、熱い解説文をご紹介いただきました。

私は渋谷パンテオンに公開2日目の日曜日に観に行って、松崎さんの記述の通り場内で拍手が起きるのを体験しました。
この素敵な解説に補足をすると、ザナック&ブラウンはディック・リチャーズ監督に依頼をする前に、『白鯨』のジョン・ヒューストン監督や『ワイルドバンチ』のサム・ペキンパー監督にも打診をしたけど、ヒューストンは興味を示さず、ペキンパーは「鮫」じゃなくて「鯨」と連呼するのでザナック&ブラウンはそもそも依頼をする気が無くなった、とメイキング本に書いてあったはずです。
あと、円盤の特典映像でデヴィッド・ブラウンは、「スピルバーグが準備中にやる気を無くしたので、JAWSのTシャツを着て現場を訪ねたんだよ」とか言ってますけど、後に『タクシードライバー』のジュリア&マイケル・フィリプス製作で『未知との遭遇』に取り組んだスピルバーグは、「『ジョーズ』の経験があるから、絶対に信用できるプロデューサーと組みたかったんだよ」と言っていたので、ザナック&ブラウンには相当に不満があって、準備中にやる気を無くしたのではないかと推測されます。
でも、『未知との遭遇』のジュリア・フィリップスもかなり癖のある人で色々と厄介なことになったらしいですが……。
ここら辺りの裏話は、単なる映画ファンだった時は大変に面白いエピソードでしたけど、自分が監督業をはじめてみたら「面白い」とか言える代物ではなくなったのが、趣味を仕事にしてしまった残念なところでもあります。
それと、私は2007年にTV『シャイニング』のミック・ギャリス監督がプロデュースしたTV『マスターズ・オブ・ホラー2』の一篇『ドリーム・クルーズ』(主演:木村佳乃、ダニエル・ギリス、石橋凌/日本では劇場公開)という鈴木光司さんのクルーザーを舞台にした短編『夢の島クルーズ』の映像ドラマ化で、海上撮影に挑んだわけです。
結果としては、『ジョーズ』の撮影がいかに大変だったかというのをウンザリするほど痛感いたしました。私も大変でしたが、この時のプロデュース陣の皆様、スタッフの皆様には本当にお世話になりました。
一方、『ドリーム・クルーズ』の経験があるので、昨日も『ジョーズ』を新文芸坐の大きく綺麗なスクリーンで見返していて、「このショットは外海、このショットは内海。芝居は繋がってるけど、海や天空は全然繋がってない」というのがひと目で分かるようになったのが、良かったのか悪かったのか、悩む今日この頃になってます。
https://www.thecinema.jp/article/903?fbclid=IwAR3_Mfp8iejJ5YjC10HIoVuLJn9LN91-gm54CyA-GuRuMWFGpVir7uTJiww
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