寝言

10月2日発売、BD『ゾンゲリア』の商品見本を頂いた! 感激!

BD『ゾンゲリア』の完全新録吹替え版の収録が楽しみだ!

と騒いでいたら発売元のニューラインさんから商品見本を頂いてしまった。感謝!

早速、吹替え版を堪能させていただいた。

それに続いて2003年に製作された特殊メイクのスタン・ウィンストン、脚本のダン・オバノン、端役出演のロバート・イングランドのインタビューを拝見。
(このインタビュー映像の製作総指揮はWilliam Lustigとクレジットされていたのだけど、『マニアック』や『マニアック・コップ』の監督と同一人物かしら?)

既にウィンストン、オバノンのお二人が鬼籍に入られているのが残念だが、貴重な内容で大変に勉強になりました。

オバノンは「この作品の脚本はちょっと手を入れただけだから、実は名前を貸しただけだ」と言っていたり、ロバート・イングランドが「リサ・ブロントが本当に魅力的でね。恋心を持ったよ」と臆面もなく話をしていてちょっとドキドキしましたね。
あと、イングランドは「『ビッグ・ウェンズデー』は出演時は編集がダメだと思っていたが、今は名作になっている。作品の評価は時間が経ってみないとわからない」とか言ってますね。この人は歯に衣着せずにしゃべる人だから、まあ、イングランドらしいインタビューで面白かったです。

で、『ゾンゲリア』と言えば、看護師役リサ・ブロント嬢の目玉に注射針をぶっ刺すシーン。このスタン・ウィンストンの証言が非常に興味深かったですね。

(以下、ネタバレになるので未見の方は無視してください。)

実は以前から、包帯巻きになっている役者が全て作り物ではないかと思っていたのだけど、やはりウィンストンが当時の技術の粋を集めて作ったパペットだったのですね。
ウィンストンは恐怖におののく患者の目玉に注射針を刺すショットをワンカットで撮れるようにしていたわけです。
しかし、ゲイリー・A・シャーマン監督はそのギミックを採用しなかった。
要するに、ワンカットで撮ると針をぶっ刺す芝居が不安定になるので、それを避けるために監督は刺すカットだけは逆回で撮ったわけです。
つまり目に刺さっている注射針を引き抜く芝居を逆回すれば、上映時には注射針はシャープに目玉に刺さるわけです。
もちろん今なら、逆回で撮ったショットと正回で撮ったショットをデジタルで繋げることも不可能ではないですが、1981年当時では無理でしたからね。
でも、せっかくワンカットで撮れる準備をしたスタン・ウィンストンにしてみると屈辱だったでしょう。
しかし、「当時、それが納得できなかったけど、今は監督の判断が正しかったと思う」と語っていて、ちょっと泣けました。
現場ではスタッフのこだわりと、監督の判断がかみ合わなくて揉めることが結構あるんですよね。

一方、車の中で逆さまになっていた焼死体の顔が突然、悲鳴を上げるショッキングなショットは、監督が逆さまではなく正対している方が良いと言い出して、これも相当に揉めたようですね。

あと、殺されたヒッチハイクの女の子が蘇生するショットのギミックは、自分のホラー映画でも応用しているけど、今観るとかなり間が空きすぎていて仕掛けがバレバレですね。

全体としてはとても好きな作品なので腐したくはないのだけど、優秀なスタッフが揃っていたのに、監督の技量がそれを生かし切れなかった感じが否めないですね。

ウィンストンの次の作品が『ターミネーター』。キャメロンとの仕事が高い評価を得たのは言うまでもないことです。

関わるスタッフ、キャストを生かすも殺すもやはり監督の技量次第だと思ってしまったりしました。

いずれにしても、『ゾンゲリア』を数十年ぶりに綺麗な画質と、日本語吹き替え、そして貴重な特典と共に再見出来て幸せです。

10月2日発売です。
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