PROFILE

子供の頃、宇宙飛行士になるのが夢だった。父に買ってもらった天体望遠鏡で、はじめて土星の輪を肉眼で見たときの感激は今も覚えている。それまでは遥か彼方だった世界に、自分の手が届くような気がした。宇宙飛行士の夢は早々にあきらめたが、今は映画という宇宙を旅している。この宇宙は思っていた以上に壮大で厳しい。映画の土星に行き着けるかは分からない。だが、私の旅が後から来る誰かの道しるべになるかもしれない。ここに航海日誌を記しておくのも決して無駄ではないと思う。

 '60年12月30日、東京生まれ。和光大学経済学部卒業。高校、大学を通じて自主映画を製作。特に'85年のホラー『トネリコ』は映画・映像評論家諸氏より高い評価を得る。大学卒業後はビデオソフト会社、映画配給会社などで宣伝業務に従事するが、映画監督の夢を捨てきれず脱サラ。'91年に自ら企画した同名ホラー・コミックのビデオ映画化『ほんとにあった怖い話』でプロ監督としてデビューする。本作は低予算ながら破格のヒットとなり、翌'92年にかけて『ほんとにあった怖い話/第二夜』、『新・ほんとにあった怖い話/幽幻界』のシリーズが製作された。同シリーズは内容的にも黒沢清監督や脚本家・高橋洋らに高く評価され、結果として後の高橋洋脚本の映画『リング』('98)、黒沢清監督・脚本の『回路』('01)に影響を与えることになった。そして、同シリーズを学生時代に見た清水崇監督も全米 No.1ヒットとなった『THE JUON/呪怨』の中で、『新・ほんとにあった怖い話/幽幻界』の一部を真似た演出を取り入れている。つまりはビデオ映画『ほんとにあった怖い話』シリーズは、世界を席巻する“Jホラー”の先駆であり、鶴田が「Jホラーの父」、「Jホラーの先駆者」と呼ばれるゆえんである。
 '93年には非ホラーの単館公開映画も手掛けたが、やはり独自の恐怖演出を追求することを望み、'96年に映画『リング』の貞子のテレビ抜けの原点といわれる『悪霊怪談/呪われた美女たち』や、つのだじろう原作の『亡霊学級』などのホラー・ビデオ映画を発表した。'99年、テレビ『学校の怪談』を皮切りにテレビ界にも進出し、『ほんとにあった怖い話』を黒木瞳、稲垣吾郎、中山美穂などの豪華キャストを迎えてフジテレビの2時間ドラマとして完成させた。特にテレビ版『ほんとにあった怖い話』は高い人気を誇り、単発ドラマが数本製作された後、'04年春には稲垣吾郎をメインとしたレギュラー・シリーズとなり、同年秋から翌'05年春にはセカンド・シーズンが放映され、鶴田はそのどれもでメイン監督を務めた。'00年からは本格的な劇場映画に進出し『リング0〜バースデイ〜』を発表。翌'01年には、この頃既に海外に名を知られていたことから香港との合作『案山子-KAKASHI-』を監督。同作は夕張ファンタスティック国際映画祭2001のファンタランド国王賞を受賞。'04年にはつのだじろうの「恐怖新聞」を原作とした『予言』を発表。同作はロバート・デ・ニーロが主催するニューヨーク・トライベッカ映画祭2005に招待された。'07年には米国のテレビ・シリーズ『Masters Of Horror』の一編『ドリーム・クルーズ』(日本では劇場公開)を撮り全米進出を果たした。
 '08年、楳図かずお原作の『おろち』を映画化。今まで数多く映画化されてきた楳図漫画だが原作者自身が「自作の初めての映画化作品」と語り、観客からも楳図原作映画の最高傑作との評価を得た。本作は同年の釜山映画祭に招待されて監督の鶴田と共に熱烈に歓迎された。また、'08年の『ほんとにあった怖い話〜夏の特別編』は同年に放送されたフジテレビ「火スペ」枠の最高視聴率16.3%を獲得した。そして、フジテレビ『ほん怖』は'09年に放映開始10周年を迎えた。 なお、『予言』をはじめ『リング0〜バースデイ〜』、『案山子-KAKASHI-』の映画の他、ビデオ『ほんとにあった怖い話』など多数の作品が、欧米やその他の諸国でDVDリリースされて人気を誇っている。その他、女優の発掘には定評があり『リング0〜バースデイ〜』で仲間由紀恵、『案山子-KAKASHI-』で柴咲コウ、『予言』で堀北真希を起用しその後のブレイクのきっかけを作っている。

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