ほんとにあった怖い話 夏の特別編2005
〜京都ミステリーツアーSP〜
2005年8月23日(火)
19:00〜21:00
フジテレビ放映

プロデューサー:後藤博幸
演出: 鶴田法男(第1、3、4、5話)
鈴木雅之(第2話)
脚本: 鶴田法男(第1話)
三宅隆太(第2、3、4話)
玉城悟(第5話)
撮影: 川越一成、川村明弘
照明: 高山喜博
劇中音楽:尾形真一郎
制作: フジテレビ

〈出演〉
稲垣吾郎

井上和香
山本耕史
松浦亜弥
青木さやか
武田真治
 今回はドラマの間に入る稲垣吾郎と少年少女たちのスタジオ収録部分が、青木さやかをゲストに迎えて京都ロケになった。ドラマは全部で5話を放映。
 第1話『乗せて…ください』は自転車での帰宅時に幽霊を乗せてしまったOL(井上和香)の恐怖。第2話『心霊写真』は『ほん怖』のスタッフ(山本耕史)が心霊写真を整理中に体験する恐怖というフェイク・ドキュメンタリー的な内容。第3話『黒髪の女』はある日突然訪ねてきた長い髪の女の幽霊に戦慄する女子高生(松浦亜弥)の話。第4話『格安物件』は名古屋出身の青木さやかが東京に出てきたばかりの頃、安いマンションを借りてから次々と起こった恐怖体験を本人主演で再現ドラマ化。第5話『死神』は過労で入院した会社員(武田真治)が院内で死神を目撃するが、やがてそれが自分に迫って来るという話。
 番組としてはいつものスタジオ収録部分を京都ロケにしたところが新趣向だった。ドラマは第2話をフジテレビの鈴木雅之監督(『NIN×NIN忍者ハットリくんTHEMOVIE』他)が担当した以外は、私が演出した。個人的には青木さやかさんの話が笑える部分もあり幽霊が一切出てこないにもかかわらず、完成してみたら自分でもゾッとする作品になっていたのが意外で面白かった。入居した格安の賃貸マンションには前の住人が残していった生活用品がそのまま残されていたという設定が怖かったのだろう。昔からある幽霊船の話の怖さも、今まで人がいた気配があるのに忽然と人間が消えている点にある。こういう話は普遍的に怖いのだ。第5話の『死神』のイメージはどうしても新鮮なものが浮かばず結局、映画『回路』の黒い人影のイメージを拝借した。その為、事前に黒沢清監督に連絡をしてお許しをいただいた。